『富士山・山頂気象観測所』が老朽化に伴い閉鎖が決定し、代わって建設計画が持ち上がったのが『車山』です。
そう云えば何時完成したんだろうと検索してみると1999年でした。
バイクが好きで『ビーナスライン』は毎年必ず走りますが、もう25年も前から在ったんですね。
実に建物の四角い黒と、レーダードームの丸い白の対比で目立ちます。
『横田管制空域』のお陰で『軍事レーダー』ではと噂されましたけど、雨雲観測用の『ドップラーレーダー』だそうです。
『ドップラー効果』とは、救急車などの『近づいてくる音』と、『遠ざかる音』の音域が変わる事で説明されますが、要は電波を発射し、跳ね返って来る反射波を観測し続ける事で観測対象物の動きを察知すると云うもの。
自然界では『コウモリ』や『イルカ』とかが『超音波』を発射し『反射波』を探知して相手の位置を知るとされています。
映画やアニメの画面で、クルクル廻って表示される『レーダーモニター』のクルクルが『ドーム』の中で廻っている『観測レーダー』の動きと合致しています。
レーダーが感知した『反応位置』と、一周した後の『反応位置』更に一周した後の『反応位置』と立て続けに観測する事で『移動方向』や『移動速度』を知ることが出来ます。
2023/8/3 コロナで開催されなかった『観測レーダー公開』が4年振りに行われました。
このレーダー建屋内に入ってみたくて、リフト運行前に歩いて登ったんですが、余りにも希望者が多く、リフト搭乗口に長蛇の列が出来たので運行開始時間を前倒ししたらしいのです。その為に『観測所』の前には結構人が並んでいて、私が貰った整理券は『29番』でした。
建屋内は狭い為、15人づつに区切っての案内です。
29番でしたので辛うじて2回目に間に合いました。
先ず一階でプロジェクターによる『ドップラーレーダーの仕組み』をレクチャーされます。
雨雲に向かって『超音波』を発射。反射した『超音波』の量を回転する『ドップラーレーダー』で観測し、『雨雲の量(降水量)・移動方向・移動速度』を割り出します。
日本本土のほぼ中央に位置する『車山観測所』では最大半径300kmをカバーするそうです。
日本国内には、北は『札幌』から南は『石垣島』迄、現在20カ所にこのような『気象観測所』が設置されています。
更には『気象衛星』による各国の気象データ等を総合判断して『雨予報』を発表しています。
ですから『ウエザーニュース』等の『雨雲レーダー』を見ればほぼ何分後に雨雲が通過しどの位の雨が降るかを知ることが出来ます。(それもタダで)
一通りの説明が終わると、階段を昇って2階へ。
此処では『超音波』を発生させ、対象物に向かって発射させる装置が在ります。
残念ながら『ドーム内」へは立ち入り禁止となっていました。
待っている人が大勢の為、一人が見れる時間は20秒ほど。次の人に譲らないとね。
四角い建屋が黒く見えるのは周囲に張り巡らされた『金属のメッシュパネル』の為です。
恐らく防犯と日除けの為でしょう。中から見ると外が透けて見えます。
夏の陽射しや冬の雪から『建屋』及び『精密電気機械』を護り、尚且つ強固な防壁の役割も果たすのでしょう。
四六時中『気象庁』の方が詰めている訳でなく全て遠隔により操作されます。
お陰で天気予報の精度は上がりましたが『降水確率50%』って降るの降らないの?
どっち? 尚更ワカラン。